72の法則
複利が利く資産が元本の二倍になるまでの時間を簡単に知りたい。
素直な方法
複利の定義から$N$年後の複利$r$の利いた資産の総額の元本比は次のようになる。
これから資産が元本の二倍になるまでの時間は$t$が2の時の$N$なので、次のようになる。
しかし$ln(1+r)$を暗算するのは難しい。
72の法則
複利計算の有名な簡便法として「Rule of 72(72の法則)」がある。これによると元本が二倍になるまでの時間は次のようになる。
複利が2%であれば36年(=72/2)、4%であれば18年(=72/4)、8%であれば9年(=72/8)ということになる。
原理
$ln(1+r)$をマクローリン展開する。
複利$r$は大抵の場合1に比べて小さいので、2次以降は無視できる。
これを先の式に適用する。
分母は69.3であるはずが、簡便法では72となっている。これは単純に69.3では暗算がしづらいので、そこからそれなりに近く約数が多い72が採用されているだけだ(70もそこそこ約数があるので、これで計算することもある)。
比較
実際の計算結果と72の法則の比較が以下だ。だいぶ近似したような感じがするが、結果はほとんど同じなる。